今回は同人誌の感想です。
サークル名「世間の片隅」にて活動されている蛙山芳隆さんの同人誌です。艦これやアズレンのR18本もたくさん描かれている方ですが、この本は一般向けなのでご安心を。
もともとは5月に開催されたコミティアで販売*1された作品です。でも行けなかったので、先日メロンブックスにて購入。ラスト1冊だったのでギリギリでした。
本の内容
著者の蛙山さんが同人活動を続けるために考えた戦略についての本です。初めての即売会で悔しい目に遭い、これからについて「働いていた時の経験を活かせないか」と考えた時のことが紹介されています。
登場するのは「アイドマの法則(AIDMA理論)」。以下、現代カタカナ語辞典より引用。
消費者が製品を買うまでの心理過程を表した広告の基本原則。Aは注目(attention)、Iは興味(interest)、Dは欲求(desire)、Mは記憶(memory)、Aは行動(action)の意味。
作品の質も大事ですが、まず興味を持ってもらえなければ手にすら取ってもらえない、というのがあると思います。じゃあ興味を持ってもらうにはどうすればいい?そもそも興味を持ってもらうには知ってもらわなければいけないし…ということを考えられています。
他にも「ランチェスターの法則(戦闘と勝敗についての法則)」などが紹介されており、それらを同人活動に当て嵌めつつ解説しているのでとても分かりやすいです。
絵柄もいいんですよね。SD化されたキャラが特徴的ですが、特に蛙山さんの場合は独特で味があります。*2この作品に限らず、一目見て「あ、蛙山さんの絵だ!」って分かるんですけど、なぜなんでしょう? ちなみに、自分のお気に入りは今回だとヘッドスライディングしている場面です。
感想
同人誌で自らの経験を書く人って珍しいと思うんです。それこそ最近ならツイッターで体験談等を描く人は多いですが、それを1冊の本にしている人はそんなにいない…気がします。(同人誌即売会ほとんど行ったことがないので断言できない)
なので、同人作家さんの考え方を知れる良い機会になれたし、蛙山さんの戦略は自分にも当て嵌めて考えられました。特に今はこのブログがありますからね…でも戦略より先に質を上げないと…
「好きなことをやりたい!」って人に特にオススメです。好きなことをして生きていくってすごく良いですけど、現実の問題(在庫とか)は無視できない。現実に立ち向かうための戦略を学びつつ、好きなことも頑張る勇気を貰えます。
最後に一つ思ったんですけど、同人誌を紹介するときって発行所もちゃんと書いた方がいいんですかね…?もし、書くのだとしたら印刷会社の「(有)ねこのしっぽ」になるんですけど、そこの所どうなんでしょう?
リンク
*1:結局メロンで「販売」されていたものを買ったので「頒布」は使いませんでした。「頒布」「販売」についてはこちら参照。
「コミケでは販売ではなく頒布でなくてはいけない」はデマ(追記アリ) - Togetter
*2:偉そうに書いてますがよく分かっていません