tanojinの日記

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成瀬は天下を取りにいく

本屋大賞で話題の『成瀬は天下を取りにいく』を読みました。とんでもなく面白かったです。職場の社内報で感想文を書こうと思ったのですが、機会が無くなっちゃったのでこちらで供養します。

面白かったので本当に読んでもらいたいです。それが言えれば掲載場所はどこでもいいや←

 

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膳所から来ました」と聞いて何を思い浮かべるだろうか? 自分はまず「膳所」が読めなかったので何も分からなかった。

 

膳所は「ぜぜ」と読む。滋賀県大津市にある地名だ。ここまで書くと「大津市って滋賀県の県庁所在地だ」とか「琵琶湖が近いのかな?」とか想像できてくる。ちなみに膳所は琵琶湖の南付近だ。

 

この膳所を舞台に、天才少女・成瀬と彼女を取り巻く人たちの物語が進んでいく。ある時は閉店が決まった西武デパートに通い続け、ある時は髪が3年間でどれだけ伸びるかを確かめるために坊主頭にしたりと、行動は全く読めない。けれど、彼女の行動には必ず理由があるので、最後には何だかんだで納得してしまう。

 

少し話は変わるが、この作品はコロナ禍のことにちゃんと触れている。特に成瀬が中学生の時の話はコロナ禍真っ只中だ。マスクに文字を書く、無観客でのM-1グランプリ開催など、数年経った今では懐かしく感じることが出てくる。個人的に、コロナについて真正面から向き合った作品は良いものが多いと思う。行動に制限が出てくる中で自分たちはどう思っていたのか、それを丁寧に考えているからかなと分析している。

 

続編の『成瀬は信じた道をいく』も面白かった。天下を〜を読み終わった後に速攻で本屋に行き、速攻で読み終わった。あの日、自分は成瀬たちに夢中だった。もし3冊目が出たとして、その時はまた夢中になれると思っている。

 

最後にちょっとしたことだが、作者が静岡出身で、物語内に広島と高知が出てきたことに少し縁を感じた。静岡・広島・高知は自分に馴染みがある土地なので、これは膳所に早く行けというお達しなのかもしれない。

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自分の今の信条は有言実行なので、膳所には行ってみたいですね。静岡からだと3時間くらいで到着するみたいですし。

 

読書を続けてきたからこの作品に出会えたと感じます。本当に良かった。