tanojinの日記

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生醤油うどんの思い出

「これすごく美味しい!」って言えた食べ物はそんなにない。だいたいどれも美味しく食べれる舌を持っているからだ。高校の頃に「バカ舌」と言われたが、かなりお得な能力なんじゃないかと思う。

そんな「バカ舌」でも記憶に残る食べ物がいくつかある。十三駅のたこ焼き、萩の旅館のフグ、台北の人形焼、そして生醤油うどんだ。中学生くらいの時に家族で旅行し、こんぴらさんに向かう途中に食べた。

食べたのは地元では有名なチェーン店…だったはずだ。ここのお勧めが「生醤油うどん」。今でこそ丸亀製麺でも食べれるが、当時は近所になかったので見るのも初めてだった。第一印象は「なんだこれは?」。それまでうどんといえば、きつねうどんや肉うどんのような、熱々の汁の中に麺が入ってるうどんだった。醤油とうどんってどうやって食べればいいんだ?何でもいいが、普段食べている物に何かが欠けている状態を考えて欲しい。汁のない鍋、海苔で巻かれていないかっぱ寿司(ありそう)など… 何が出てくるのか想像がつかなかった。

出されたのは麺と胡麻。これに醤油をかけろということ。やってみて、食べてみると、とても美味しい。まず麺が美味しい。さすがに詳しくは覚えていないが、噛みごたえのあるしっかりとした食感だった。そして醤油に合う。お昼時を過ぎて空腹だったのもあるが、本当に美味しかった。これ以後たくさんうどんを食べ歩いたが、この生醤油うどんに匹敵するうどんにはいまだに出会えていない。

 

今回生醤油うどんについて語ったのは、さくらももこさんのエッセイ集「さくらえび」の中にある「ヒロシの挑戦 しまなみ海道」を読んだからだ。さくらさんと父ヒロシ達がしまなみ海道を自転車で走り抜ける企画に挑戦した話だ。うどんのために高松空港で降り、タクシーの運転手さんオススメの店で「しょうゆがけうどん」を食べたとのこと。これが「信じられないおいしさ」だったとある。

なお、その後さくらさん達は二件目であったかいうどんを食べ、翌日自転車に乗った。しまなみ海道50kmのコースを自転車で走り、途中でウニ丼を食べ、そして目的地の因島に着いた。この50kmコースを走る間にも、リタイヤ対策のためにレンタカーを用意したり、思った以上に坂道が大変だったり、ウニ丼を食べている途中に地震が起きたが皆ケロッとしていたり…など話題には事欠かない。さすがさくらさん、と言いたくなる。

繰り返しになるが、この話では「しょうゆがけうどん(生醤油うどん)」の美味しさが表現されている。是非読んで欲しい。そして香川に行って食べて欲しい。